政治評論家や選挙評論家とは何か?
それは一般の人たちに、これから起こるであろう選択肢を示すことだ。「ズバリ斬る」だとか「解散総選挙の行方」だとか「明言、総裁選予測」などの記事やワイドショーの見出しはお馴染みだが、よく見てみると予測として殆ど何も言ってないのがよく分かる。
選挙予測が典型例だ。必ず文末に出てくるのが「なお情勢は今後変化する可能性もある」といった慣例文だ。
この便利な文章は、政治評論のあらゆるところでちょいちょい見かける。「政治状況の変化で変わる可能性もある」「警察と検察の動向によって、政情は変わる可能性もある」
〝それらを含んだ予測〟はまずお目にかかれない。ホンネとしては一定以上の予測は胸に秘めているのだが、大胆に言い切ることは決してないのだ。気持ちはよく分かる。
まあ、大方は一番筆頭に、あるいは最も強調している予測がホンネの予測には違いないのだろうが、キッパリ、明確な予測など聞いたことがない。
凄いのを何度か聞いたことがある。「この秋に解散する確率は六割」これは予測なのだろうか。「今後の有権者の動向次第で変化する」当たり前だろ、素人の井戸端会議か。「総裁選予測として〇〇が本命、△△が対抗、□□が大穴で、その他〜〜もあり得る」もうしゃべらない方が良いのではないか。
選挙予測はまだ分かる。本来の純粋な予測ではなく、定量調査の結果に基づいているからだ。データーを把握した上で予測を加えている。全国ツブサに歩いて、各陣営の後援会や有権者にヒヤリングしたわけではない。だから「未決定層の今後の動き次第」「未決定はまだ三割以上」などと明記しているので理論的で分かりやすい。しかし何でもかんでも、選挙予測の文末を真似れば良いというものではなかろう。
「予測」ではなく「可能性ある選択肢の解説」として見ていれば、受け手のこちら側としては腹も立たず、納得できるだろう。
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