派閥解消はお為ごかし

 岸田首相が岸田派解消を言い始めた。断言するが、本当なわけがない。「勉強会」「政策集団」の名の下に存続し、いつの間にか復活を遂げる。
 かつても派閥解消の動きは何度かあった。一番大きかったムーブメントは三十年ほど前、リクルート事件の時に脱派閥が自民党内のコンセンサスにまでなった。いくら岸田首相が派閥解消を力説しても説得力はなく、お為ごかしと言わざるを得ない。
 一つだけ派閥解消のパターンがある。党内の衆議院議員が百人前後にまで減ってしまった場合だ。そこまで転落すると、もう派閥だの何だのと言っていられない。かつては社会党にまで右派とか左派とか中間派とかグループがあった。
 民主党が政権を奪った時にも、党内には菅グループだとか鳩山グループだとか岡田グループなどがあった。新進党が政権を奪った時は旧政党がそのまま派閥機能を果たし、解党したら何気に元の政党に戻っていった。議員が然るべき人数になると派閥が自然とできてくる。党首擁立とか、政策の主張を通そうと思ったら、当然まとまりは必要になる。
 石破氏や菅元総理が脱派閥を主張し続けているが、石破氏は派閥を作ったが維持できなかったし、菅元総理は作ろうと画策したが一定の数が集まらなかっただけだ。 
「お金の出し入れをしっかりしようね」これこそ問題の本質で、派閥を解消して世間を沈めようとしても効果がどれだけあるのだろうか。
 伝統ある宏池会を岸田総理はどのように解散していくのか。見ものである。

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