選挙違反が起こるワケ

なぜ選挙違反が発覚するのか。それは正々堂々と収支報告に記載するからだ。多くは違反だと知らずに、平気で収支に載せてしまう。選挙収支報告は公開なので、誰でも見ることができる。「そんな間抜けな」と思うだろうが、それが現実だ。
　ウグイス嬢の金額が大きい。日数と金額がどう考えても限度を超えている。調べたら違法だった。宿泊費の人数が少ないのに、どうしてこの金額になるのか。調べると一泊あたりの単価が限度額を超えている。弁当の金額が大きい。調べてみると供給できる数を超えていた。こんなのばかりだ。警察は収支報告が終わると、ツブサに全候補者の収支報告を閲覧して付け合わせを行う。
　だから収支報告の確認は税理士や公認会計士が例え印鑑をついても、いささかも安心できるものではない。見る者が選挙や政治活動に詳しくないと意味がないからだ。
　今回の安倍派パー券問題の無神経さには驚いた。長年政治資金収支に売上を載せないなんて、いつか発覚するとは思わなかったのだろうか。今回の事件は脱税そのものだ。
　自営業者は確定申告をする。私は数十年前に初めて税理士に依頼した時「売上の未計上は絶対にあってはならない」と注意された。それは節税ではなく脱税だからだ。（これは経費になるのか否か）とは訳が違う。見解の相違が入り込む余地は一切無い。第一売上から抜かそうとしても無理だ。全部通帳に記載されている。
　確かにパーティには現金で持ってくる人たちもいる。しかしそれは全体からすれば少数だし、受付で領収書は必ず手渡す。そうしなければ支払う会社や個人が困ってしまう。支払う側は支出としておそらく自分の税務に計上するだろう。
　丸ごとすっぽり、巨額入金を長年無視していたなんて、度胸が良いと言うか、世間を舐めていたというか、どう考えても麻痺しているとしか思えない。同罪の園浦議員が捕まった時に、何とかしなければならないと考えなかったのだろうか。
　特に新人諸氏におかれては収支報告には一切の妥協無く、ツブサに検証して頂きたい。単純ミスにも十分に注意し、詳しい人複数に確認してもらうことをお勧めしたい。