先日うちのジイさんが満九十歳になった。
よく食べる。猛烈に酒を飲む。一日も酒を切らすことは無く、保養温泉などに行ってメニューに酒類が無かったらこの世の終わりのように絶望している。毎朝私の朝食を作り、茶碗を洗ってゴミを捨てに行く。料理などしたこと無かったのに、バアさんが死んでから肉じゃがや中華、鍋料理、卵料理などお手のものだ。 全くボケていない。自らは買い物と墓参りくらいしか外に出ないが、誘えば外食でも釣り堀でも旅行でも、どこにでも付いてくる。特に居酒屋は喜んで一緒に来る。
身体が特別丈夫だったわけではなく、およそ五十年間、血圧と糖尿の薬を飲んでいる。二十年以上前から総入れ歯だ。年齢に比べてよく動く方かもしれないが、健康のために何もしていない。よく喋るので少々うるさい。なぜこのように元気なのか不思議だ。
ケーススタディを集めて、各自治体はそこに住む老人を研究してみてはどうか。元気の元を探るのだ。健康寿命を伸ばすためのヒントが必ずあるに違いない。
食事、運動、習慣、ペット、交流、衣服、化粧、居住形態、趣味や娯楽‥‥。気候や風土、食環境などによって、傾向は一律ではないと思う。地方によって長生きのヒントは違ってくるはずだ。各自治体はその地方地方にあった健康寿命を伸ばすための施策を取っていくべきだろう。
医療費問題が世代間紛争にまでなっている。医療費は国家の危機にもつながるが、薬価基準や医療費制度の改革で是正できるし、健康寿命の拡大で大きく改善できる。それに何より、寝たきりじゃつまらないじゃないか。
ボクシングで腕を痛め、リハビリしている。教えてもらった一日一分の腕フィットネスを朝晩するだけで、痛みは劇的に軽減される。案外簡単なことで、大きく改善できる可能性は小さくない。
これこそ日本大改革だ。
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