負のスパイラルへ

 給料アップ法案で、首相らが批判に耐えかねて増額分を自主返納する。こんなことをやっているから、日本人の給料が上がらず「安いニッポン」が出来上がってしまったのだと思う。いちいち世論に従い過ぎる。自信がないのだろう。
 激安ニッポンは悲しい。海外旅行は遠のき、優秀な人材は日本企業に残らず、海外に働きに行く。かつてアジア諸国の労働者が高所得を望み、日本を目指したのと構図が同じだ。
 税収が三年連続史上最高額だと言うのに、激安ニッポンは加速している。税金なんかより、もっと企業は給料を払って社員を潤せば良いと思うが、根っこはもっと深い。
1派遣社会 →  2総労働賃金の低下 → 3労働力の質量低下 → 4極端な国際競争力低下 → 5企業の収益減で賃金の更なる低下 →1派遣社会の促進 〜 安いニッポンの完成 負のスパイラルだ。
 そして上記2から、分岐で以下が起こっている。 2→ 結婚できず子供が持てない → A激しい少子高齢化 →B社会保障・医療費の増大 → C貧困老人の拡大 →D消費の縮小化 〜安いニッポンの完成 こちらもきちんと負のスパイラルが確立している。
 現実的に社員はギリギリの状況で働いている。うつ病なんか本当に増えている。私の友人の建設会社は激務で、今も毎年半数の新入社員がうつ病で休むか退職していくという。激務は社員の人員充足で解消する。
総理自ら給与アップを避けて遠慮してしまうのだから、経営者はそれ見たことかと社員の給与アップを堂々と忌避するだろう。そんな空気を醸成させては、日々物価高に困るサラリーマンや派遣社員はさらに苦しくなっていく。
 どうして日本だけが給料が安いのか。

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